— “スマホの1画面”に約束・証拠・行動を詰める。手が回らない時も売上最優先で勝つ設計 —
はじめに:ECの勝敗は“スマホの最初の5秒”で8割決まる
ユーザーの主戦場はスマホ、しかも多くは回線が完璧でない状況。
だから、商品ページは①読み込みが速い、②一目で価値が伝わる、③迷わず買えるの三拍子が基本。
さらに、日本ではモールの作法(Amazon・楽天・Yahoo!・Qoo10)を守りつつ、自社ECの自由度を活かす二刀流が必要です。
本稿では、
- スマホ・ファーストビュー(1画面)の鉄板構成
- コピーの文量・語順・可読性のルール
- 撮影と画像仕様(速さと説得力の両立)
- モール基準を外さずにCVRを上げる要点
- 時間がない時の“売上優先チェックリスト”
まで、実装レベルでまとめます。テンプレと優先順位のまま使ってください。
スマホ・ファーストビューの黄金配列(約1画面で完結させる)
狙い: スクロール前に“これは私の用事を解決する”と理解→“いくらで、いつ届くか”が見え→1タップで買える状態に。
推奨レイアウト(上→下、スマホ上部1画面)
- 主画像(1枚目)
- 用途が一目(生活シーン・装着・使用中)
- サイズの尺度(手・定規・A4用紙・身長別)
- タイトル(25〜35字)
- 語順:カテゴリ語|容量/サイズ|主要ベネフィット|用途|到着日の約束
- 例:「収納ボックス 65L|3区画で仕分け3倍速|衣替え/引越し|最短あす届く」
- 価格/クーポン(実質価格を1行で。二重割引を重ねない)
- 評価・件数(★4.4|1,280件)+最上位レビュー1行(≤15字)
- 到着日・送料・返品(“最短〇/〇お届け・送料込・30日返品可”を太字)
- CTAエリア(色コントラスト高/親指ゾーンに固定ボタン)
- バリエーション(色・サイズ)→在庫がある選択肢を先頭
- 「カートに入れる」「今すぐ購入」、高さ56–64px・タップ面44px以上
行間は1.6前後、行の長さは13〜18字で改行。説明くどい・画像重い・CTA遠いは即CVRを落とします。
コピー(文字)の“速読”設計:短く、並びで勝つ
見出しの型(1文25〜35字)
- [状況]のとき、[用事]が[不安なく/早く/手間なく]叶う。
例:「引越し1週間で散らかりゼロ。3区画仕分けで片付けが3倍速。」
箇条書き3点(各12〜16字)
- “結果の事実”だけ(感想語を避ける)
- 「A4 が縦横どちらも入る」
- 「65L×3区画で分類」
- 「最短あす届く・30日返品」
迷いを消す FAQ(上位5だけ、各20〜40字)
- サイズ/互換/到着日/返品/組立の順。
- 答えは数字/条件中心(主観説明は下位に)。
日本語表記のコツ
- 同じ語順をページ内で統一(容量→特徴→用途)。
- 半角記号の乱用を避ける(スマホで読みづらい)。
- 漢字率40–60%程度でリズムを作る(全部ひらがな/過度な漢字は×)。
画像・撮影:“軽い×伝わる”を両立する技術
枚数と役割
- 主画像:用途+サイズの尺度(文字入れはモールの規約に準拠。Amazonは1枚目白背景・文字NGが原則)
- 機能の証拠:耐荷重・素材拡大・比較図
- 不安の打消し:色味比較・設置イメージ・置き場所
- ベネフィット:ビフォー/アフター(散らかり→整頓)
- レビュー引用(≤15字・要約)+保証/返品の明記
構図と光
- 45度の斜め構図は立体感とサイズ感が伝わる。
- 影は柔らかく(ディフューザー)/質感は硬い光で出す(必要に応じ併用)。
- 肌・布は色温度5,000–5,600Kで安定。
画像仕様(実務値)
- 比率:1:1(モール共通で安全)+**4:5(1080×1350)**を自社ECで用意(スマホ画面を多く占有)
- サイズ:長辺1200〜1600px(拡大に耐える最小線)
- 圧縮:WebP/AVIF、1枚150–250KB目安(主画像は先読み)
- 配信:
srcset/sizesでレスポンシブ、遅延読み込み(ファーストビューの1–2枚は除外)
LCP(最大描画画像)<2.5秒を絶対目標。主画像の軽量化+先読みだけで体感が別物になります。
表示速度(Core Web Vitals)で落とさない
- 主画像を
preload、フォントはシステム優先(明朝体は禁止) - サードパーティタグ最小化(計測と決済以外は遅延)
- ヒーロー領域のCSS内包(クリティカルCSS)
- CLS(レイアウトズレ)対策:画像には縦横比を必ず指定、広告枠は固定高
- INP<200ms:CTA・バリエーション選択は即応(非同期処理は後段)
モール基準を“外さず勝つ”ポイント
Amazon
- 1枚目白背景・文字/飾りNG/商品が画面の大半
- A+コンテンツに比較表・素材・FAQを集約(テキストで)
- バリエーションは親ASINに束ねる(レビュー集約=CVR底上げ)
楽天
- 説明重視の画像が有効(比較表・サイズ・ベネフィットを画像内で明記可)
- 到着日・送料・返品を最上部に(イベント時は特に)
- RPPのクリック面を意識し、1枚目で“用途/サイズ/到着日”が一目に
Yahoo!
- PayPay還元・クーポン情報の“実質価格”を混乱させない(最終支払額を1行で)
- ストア評価/Q&Aの動線を見える場所へ
Qoo10
- メガ割の価格階段に合わせて画像と価格表記を統一(違う金額が混在しない)
どのモールでも**“約束”の明文化(到着日・送料・返品・保証)が画像or上部テキスト**にあるかがCVRの分水嶺。
セクション構成テンプレ(そのまま配置して OK)
- FV:主画像/タイトル/価格・還元の最終額/★・件数/到着日/CTA
- 3行の価値(12–16字×3)
- 比較表:自社vs一般仕様(数字で差分、感想は入れない)
- 使用シーン:ビフォー/アフター・サイズ感
- FAQ上位5(サイズ・到着・返品・互換・組立)
- レビュー抜粋(写真つき)
- 再 CTA(固定ボタンと同じ色)+返品/保証の再掲
A/Bテストの“少額・短期”設計(1テスト=1変数)
- テスト対象:
①主画像(尺度あり/なし) ②タイトルの語順 ③到着日表記の有無 ④固定CTAの有無 - KPI:CVR・ATC率(カート投入率)・スクロール深度・LCP
- 合格ライン:CVR+0.5ptまたはATC率+2pt、LCP−300ms
- 期間:1–2週間/最低各100–300注文相当のトラフィック
画像・コピーの“品質管理 SOP”(週次30分)
- レビュー・問い合わせの Top3 原因→主画像/FAQ に反映
- 在庫・到着日の文言を実運用に同期(遅延は即低評価)
- サイズ/色味の苦情が出たら尺度画像を撮り直し(“手・定規・A4”を入れる)
- 返品文言の明文化で不安→CVR 低下を防止
リソース不足でも“売上優先”でやる順(上ほど効く)
- 到着日・送料・返品の“約束”をFVに1行で(最短〇/〇・送料込・30日返品)
- 主画像の撮り直し(用途が一目+尺度)…最小限の労力で最大のCVR差
- 固定CTA(親指ゾーン) … 迷い時間を削る
- タイトル語順の統一(カテゴリ|容量|ベネフィット|用途|到着)
- 画像の軽量化(主画像だけでもWebP/先読み)
- FAQ 上位5(サイズ・到着・返品・互換・組立)を上に
- レビュー1行抜粋(≤15字)を価格の近くに
- 比較表(数字で差分。画像1枚で OK)
この1〜3だけでも、CVR+10〜30%が現実的。時間がない日は1→2→3を死守。
撮影ショットリスト(コピペOK)
# 主画像
・使用シーン(人物/手/設置)+尺度(A4/定規/身長)
・白背景の正面/斜め45度(Amazon用)
# 機能/証拠
・耐荷重テスト、素材拡大、ロック構造
・収容量(Tシャツ/靴下/書類など実物で)
# 不安の打消し
・色味比較(昼光/電球)・置き場所(押入れ/クローゼット)
・組立手順の3カット(1→2→3)
# ベネフィット
・ビフォー/アフター(散らかり→整頓)
・家事動線(取り出しやすさ)を矢印で
コピー用テンプレ
タイトル
「[カテゴリ] [容量/サイズ]|[主要ベネフィット]|[用途]|[到着日]」
3つの価値(12–16字)
- [結果の事実]
- [具体の数字]
- [到着/返品の安心]
FAQ(上位5)
Q1 サイズは?→ [内寸/外寸/尺度]
Q2 いつ届く?→ [最短日/締切時刻]
Q3 返品は?→ [期間/条件/手順]
Q4 互換/対応は?→ [型番/サイズ表]
Q5 組立は?→ [時間/工具/動画案内]
アクセシビリティ&可読性(地味だが CVR に効く)
- フォントサイズ:本文16px以上、ボタン16–18px
- コントラスト:本文4.5:1以上、CTAは7:1を目標
- タップ領域:44×44px以上、隣接要素と8px以上あける
- 代替テキスト:主画像だけでも用途+属性を記述(検索/音声読み上げ)
まとめ:1画面に“約束・証拠・行動”を盛る
- ファーストビューに用途が一目の主画像/最終価格/到着・送料・返品/評価/固定CTA。
- コピーは短く(25–35字の見出し+12–16字の箇条書き3つ)。
- 画像は軽く(WebP/先読み、長辺1200〜1600px、150–250KB)。
- モールの作法(Amazon 白背景1枚目、楽天は説明画像可 等)を守りつつ、約束の明文化で CVR を底上げ。
- 時間がない日は「到着/送料/返品の1行」→「主画像の撮り直し」→「固定 CTA」で売上優先。
最後に:
ここで示した数値は実戦の目安です。カテゴリやモールの規約、回線事情で最適解は変わります。
「この商品での最短CVR改善は?」「画像をどこまで軽くして良い?」など、具体のページURLと数値があれば、優先順位表まで即時に落とし込みます。
“スマホの1画面”に勝ち要素を詰める—それが、どのチャネルでも売上を押し上げる最短ルートです。


